インターネットオーディオ番組「都立大1年生の新しい日常」を公開しました

2020年、新型コロナウイルスの感染がひろがり、多くの大学がオンラインの遠隔授業に移行しました。この春入学した大学1年生は、入学式がなくなり、思い描いていた大学生活を送ることができなくなりました。彼らの気持ちを記録しておきたいとおもい、音声を収録したオーディオ番組を制作しました。

パンデミックの草の根アーカイブ

今回の歴史的なパンデミックは、ろいろな形で記録されています。とくに、政府の対応や感染経路、ワクチン開発、経済への影響といった「大きなニュース」は、後に歴史の一部になっていくでしょう。一方、わたしたちの日常生活もそれなりに変化がありました。ただこうした変化は、人びとの記憶には残りますが、やがて風化してしまいます。今回の企画は、放っておくと消えてしまうかもしれない日常レベルの記録を保存する「草の根アーカイブ」です。

普段と異なる「新しい日常」を余儀なくされた大学1年生という当事者の声を保存することで、ささやかながらも「当時の空気感」を思い起こせるきっかけになればとおもいます。

大学1年生にインタビュー

企画者の杉本は、2020年度前期、東京都立大学1年生向けの全学共通科目「基礎ゼミナール」を担当したおかげで、複数学部の1年生とオンラインで出会うことができました。授業終了後の2020年8月下旬、受講生4人の協力を得てオンラインでインタビューしました。学生には番組の趣旨を説明し出演の了解を得ています。

全2回の音声のみのプログラムです。
第1回の回答者は、システム学部インダストリアルアート学科に入学した2人です。
第2回の回答者は、人文社会学部人文学科、健康福祉学部作業療法学科にそれぞれ入学した2人です。

https://anchor.fm/s/54753f74/podcast/rss

オンライン授業のことや、外出自粛の様子、ソーシャルメディアで大学1年生が呼びかけていることついての思いなどを訊ねました。大学入学の前後から生活が変わり、同級生と直接対面できない状況がつづくなか、心身への影響がすくなからずあったことが、声のトーンで伝わってきます。

ところで、オンライン授業の評価はそれほど悪くありませんでした。ただ大学によっては、評価が低いところもあるようです。大学のオンライン授業への批判や不満は、しばしばニュースで取り上げられていました。一方で、それなりに満足していた学生がいたことも残しておきたい記録です。

編集するのに時間がかかってしまい、公開がたいへん遅れてしまいました。もっと構成を工夫したかったのですが力不足です。この記録をできるだけ長期間のこしておいて、後世の聴き手へとつなげていきたいとおもっています。

最後に、協力していただいた学生のみなさん、ありがとうございました。

インターネットオーディオ番組
都立大1年生の新しい日常(全2回)
第1回 23分43秒
第2回 27分33秒
2020年8月収録/2021年3月公開
企画・制作:杉本達應(東京都立大学システムデザイン学部)