メディアとコミュニケーションをめぐるバイリンガルの独立系雑誌『5』に寄稿しました。第2期第1号に続く、連載2回目となります。
今回の内容は、すぎもと組として学生たちと発行しているテック・ジン(技術同人誌)についてです。テック・ジンを作ったり売ったりする中で気がついた紙媒体の特質を書いています。編集部の松井貴子さんに丁寧に原稿を読んでいただき、しっかりした形にしていただきました。
『5』の特集は、毛利嘉孝さん、村田麻里子さんによる「アートと脱植民地化 Art and Decolonization」です。ドイツの国際的な現代美術展〈ドクメンタ15〉(2022)の芸術監督に選ばれたインドネシアのルアンルパのメンバーやキュレーター、研究者へのインタビューなどが掲載されています。劉雪雁さんの紹介する『漢聲(ハンシェン)雑誌』については、はじめて知りましたが、とても魅力的な造本で実物を見てみたいです。一冊を通して読むと、特集記事もそれ以外も通底するテーマがあるように感じました。これこそ雑誌の面白いところかもしれません。表紙は、宮田雅子さんによる木版画で、文化的な抵抗運動を彷彿とさせます。
『5』はオンラインショップで入手することができます。
書誌情報
杉本達應,「『すぎもと組』の実践ノート──ハッカビリティをはぐくむ 第2話 “燃えない”紙を作る」『5: Designing Media Ecology』第2期第2号(2024冬号),一般財団法人INSTeM『5』編集室,2024年12月9日,pp.104–115.
Tatsuo Sugimoto, Making Non-flammable Paper, Notes on Practice from the Sugimoto Lab: Nurturing ‘Hackability’ Epsode2, 5: Designing Media Ecology, 2nd season 2nd issue, INSTeM “5” editorial office, December 9 2024, pp.104–115.