2014年2月22日(土)、札幌市立大学サテライトキャンパスにてトークイベントを開催しました。
ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。
DEVELOPMENTAL/オープントークvol.2「おもてなしのデザイン」
プレゼンター:宮田雅子(札幌大谷大学)
はじめに、杉本達應(札幌市立大学)からイベントの趣旨説明を行いました。
プレゼンターの宮田雅子さんからは、理系、芸術系、文系を横断したご自身の経歴紹介をはじめ、多岐にわたる話題を提供していただきました。「美唄式あぜ道ピクニック」(2013年)と題した美唄市での地域活動のデザインでは、たんに外部の人を呼びこむという観光的な視点だけでなく、地域の人びとや学生たちとともに活動をつくりあげていることが紹介されました。さらに、これまでの近代デザインの歴史のふり返りと、宮田さんが提唱しているコミュニケーション・デザインのコンセプトである「おもてなしのデザイン」の解説がありました。「おもてなし」という言葉の起源には、「仲立ちをして場をつくる」という意味があり、コミュニケーション、共創の思想、一回性という3つの特徴をあわせもっているということでした。
後半は、チャートイットを利用して参加者のみなさんに「○○のデザイン」を考えていただき、最後に質疑応答をおこないました。
あなたのかんがえる「○○のデザイン」は?
マウスを置くと一時停止します。
アンケートの集計結果
アンケートのご意見より
イベントの良かった点
- スライド?を使用しており、自分の感想等が写し出され他の人の考えもシェアできたりとおもてなしのデザインを自分なりにまとめることができたと思っております。
- 少人数で会場の広さもちょうど良かった。
- 美唄のピクニックが楽しそうだった。
- 「美唄式あぜ道ピクニック」の恊働事業に人づくり、まちづくりのヒントを感じた。
- “おもてなしのデザイン”の概要、芯にあるものが見えてよかった。
- わからないワードもたくさん出てきたように思いますが、先生の宮田さんの言わんとしていることは伝わってきました。色んなことを考えるきっかけになりました。
- 参加者の意見を、その場ですぐに、全体に対して、見える化したこと。
- デザインについて、考え方をよく分かったところがとてもよかったです。自分の見ている一面だけでなく、プロの方の見ている一面からお話を聞けるのは自分のためになるなと思いました。
- 色んな年齢・職業の方が参加している点。講演を聞きにきている人から色々な意見があがっておもしろい。
- 観光としてはなく、地域の人とのつながりの場をつくるというのは新しいまちづくりとして興味がわきました。Chart it!を使った共有が面白かったです。「デザイン」という概念はいろいろ応用できるかと思います。
- 宮田さんの経歴を詳しく紹介してくださったことで、「理系の知」「文系の知」「美術系の知」という複数の分野から考えるのが大切だという話に説得力がありました。私は今、札幌市立大メディアデザインコースの学生ですが、他のコースも含め様々な分野の知識を吸収したいと思いました。
- いろんな角度からの「おもてなし」がきけてよかったと思いました。
- たくさんの人のたくさんの意見を聞けた点。
- 札幌駅の近くにあり、便利。参加者にバラエティーがあったようです。
- 「目に見えないものをデザインする」という考え方は興味深く、「○○のデザイン」という言葉の曖昧さ、前向きさ、面白さ等、その無限大のイマジネーションは、人と人をつなぐことをはじめ、問題を良い方向に向かわせるような、そんなイメージをも与えてくれる側面があるのかもしれないと思いました。新聞やネットなどで「○○・デザイン」という言葉が多用される度に、少なからず違和感や分かりにくさを感じていた自分にとっては、今日は良い気付きになりました。ありがとうございました。
改善したほうがよい点、気になった点
- 特にございません。とても丁寧でわかりやすい話し方だったと思います。
- 時間が短い気がする。もう30分あっても良いかな。意味不明な単語がいくつかありこまる。美唄についての活動の話を長くしてほしかった。
- 素人でもわかる言葉を使ってほしい。
- もう少し具体的な部分まで話を聞きたかった。(時間が短い→「Chart it!」ももっと広げられると良い)
- 自己紹介は短く。「レイヤー」からで良かった。
- リアル・プレイスに複数の人を集めることの意味が少なかったように思います。スピーカーと参加者が1対1でつながるだけ、あるいは他の参加者の意見を単に知るだけなら、ウェブ・コンテンツであってもいいはずです。テーマに沿ってスピーカーと「私」と他の参加者が相互交流できるようにデザインされてこそ、この場にふさわしい「おもてなし」のデザインではないでしょうか。
- こういう形式の講演会であるのであれば、机とイスを前に向けて設置してほしいと思いました。
- テーブルの配置。グループワークのように数人でやる作業などがないのであれば、このような配置にする必要はないかな、と思いました。前を見にくい形でした。
- スライドや他の人との顔が見づらかったです。(首をねじらなければならない席なので)
- キーワードとなる「おもてなし」ということばが突然でてきた印象もあったので、なぜ他の単語ではなく「おもてなし」にいきついたのかなどのお話もぜひお聞きしたかったです。
- 内容がよくわからない広告だったので、その点は改善してほしい。テーブル毎にちょっとしたディスカッションがあればよかった。
- 一般の人がいるので、横文字・専門用語は噛みくだくか言いかえた方がいい(例:レイヤー、コンテクスト)
- 宮田先生ご自身が最も力を注いでおられることや、それに対する想い、今後のビジョン、これまでの活動(今回はピクニックのことなど)で、苦労されたこと、良かったことなど、情熱的なご意見も聞いてみたかったなと思いました。また、質疑応答で質問者の方に対する宮田先生の回答に気遣いや優しさを感じたので、そんな宮田先生ならではの「おもてなし」のエピソードなどももしあればご紹介いただきたかったです。
その他コメント、今後のイベントについて
- デザインは専門外だと思っていましたが、今回のお話を聞いて案外自分にとって身近なものだと感じることができました。
- お忙しい中、このようなイベントを無料で設けてくださりありがとうございました。普段デザインを学んでいない学生もデザインに接する機会ができたことに今後自分の制作に役立てていけたらと思っております。
- あぜ道ピクニック事業の内容をもう少し掘り下げて話してほしかった。
- 前回も参加しましたが、杉本先生のセミナーは斬新で刺激になります。来年度以降もセミナーの開催を期待しています。ありがとうございました。
- 私も、民族学、社会学、宗教学、文化人類学を渡り歩いてきたので、共感できます。
- 美唄式のピクニック、おもしろそうです! ぜひやってみたいと思いました。本日はおもしろいお話し、ありがとうございました。
- 地域デザインについては興味があったので、もっと話を聞きたかったです。告知と話の内容をそろえることは難しいと思いますが、できればもっと、美唄プロジェクトについて聞きたかったです。
- また機会があれば宮田先生のお話をお聞きしたいです。自分の経歴、学んだことから、なぜ今の活動に至ったのかというお話に興味があるので、他の方のそのようなお話をきいてみたいです。(スライドが見づらい机の配置だったので、ワークショップ等をやるのでなければ前向きにしてほしかったです…)
- また別のプレゼンターの時に参加したいなと思いました。おもしろかったです。
- 一般的なことでなくテーマに沿ったストーリーを展開してほしい。
- 自分のような一般人も参加できるDEVELOPMENTALのイベントは、多彩なプレゼンターの方のおかげで、日常では考えの及ばない新しい考え方や、しくみ、技術などに触れることができることができる良い機会となっています。専門的でアカデミックなお話の中にも、その分野に通じていない自分にとって活かせる部分や気付きがあるのが嬉しいです。今後もそんな発見の多いイベントを期待しています!
なおアンケートでご指摘いただいたテーブル・レイアウトについてお詫びします。インタラクティブなセッションを予定しテーブルを配置していましたが、参加者同士の対話の時間を設けることができず、結果的に聴きづらい椅子の向きになってしまいました。ご迷惑をおかけしました。
さいごに、プレゼンターの宮田さんにはお忙しいところご登壇いただきありがとうございました。丁寧な質疑応答に宮田さんの「おもてなし」の精神を感じることができました。宮田さんは残念ながらこの春札幌を離れられますが、これからのご活躍を祈念しています。