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2014/7/26(土)「クリエイティブ・コーディング・スクール in さっぽろ 2014」第2回を開催しました

2014年7月26日(土)、札幌市立大学サテライトキャンパスで公開講座「クリエイティブ・コーディング・スクール in さっぽろ 2014」第2回「D3.jsでデータビジュアライゼーション」を開催しました。

講師は、前日の特別講演(後日更新予定)もお願いした山田興生さんです。

当日の参加者は、17名でした。札幌以外からも、いろいろな業種の方にご参加いただきました。

今回は、JavaScriptライブラリであるD3.jsを使用したデータビジュアライゼーションの実践的なレクチャーと、ちょっとしたハッカソンを行いました。

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講義の満足度をたずねたアンケート回答全文をシェアします。

  • 三次元データを色や濃淡で表すところが大変参考になった。三次元でgraphをかくと見にくくなる事が多いため。
  • D3.jsの基本が良く分かり、ためになりました。
  • 最初のお話(つり)からとても興味深かったです。
  • プログラミングに向かうモチベーションを持てました。
  • 定期的に開催されるとみんな仲良くなってよさそうですね。(わたしは行けませんが・・・。)

公開講座にご参加された方の交流の場、クリエイティブ・コーディング・スクールのFacebookグループにもぜひご参加ください。

参加者のみなさんには積極的に受講いただき、ありがとうございました。

2014/07/25(金) 特別講演「データビジュアライゼーションの世界」を開催しました

2014年7月25日(金)、札幌市立大学デザイン学部で特別講演「データビジュアライゼーションの世界」を開催しました。

講師は、ソフトウェアエンジニアの山田興生さんです。山田さんは、ライゾマティクス・真鍋大度さんの作品のバックエンドなど、アート作品や実務系の開発まで幅広く活動されている、フリーランスのソフトウェアエンジニアです。

特別講義では、データビジュアライゼーションの作品紹介だけでなく、狩猟や海外生活といったライフスタイルの話題もあり盛り上がりました。終了時間を過ぎるまで活発な質疑応答がありました。

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受講生のアンケートよりコメントを共有します。

  • データを視覚化することで発見することがこんなにも多く、興味深いものなのかと感動しました。
  • もっとテクノロジーのことがききたかったです。だけれど、非常にたのしかったです。
  • 私は建築を学ぶ学生です。自分のデザイン計画の為の調査・分析結果をどう空間に落とし込むか、また分析結果をプレゼンシートなどでどう表現するかということに悩み今日の講座を受けようと思いました。データビジュアライゼーションのお話に限らず、様々な話をしていただき、とても楽しく聴くことができました。ありがとうございました。
  • 表現した情報が生活の知恵になっていると感じた。昔から人間が行なっていた生活の知恵を現代的に表わしたような印象でした。
  • 狩猟をやっているプログラマーということで興味をもって来てみたら、とても面白い話を聞くことができて楽しかったです。話を聞いていてプログラミングの活用性の高さにとても興味がわきました。マーケティングにも役立てていけそうなので、のみこんでいきたいです。

山田さんには、貴重なお話をいただきありがとうございました。

↓山田さんが携わった作品も紹介されています。

2014/7/12(土)「クリエイティブ・コーディング・スクール in さっぽろ 2014」第1回を開催しました

2014年7月12日(土)、札幌市立大学サテライトキャンパスで公開講座「クリエイティブ・コーディング・スクール in さっぽろ 2014」第1回「講座案内/Processingでコーディング入門」を開催しました。

この公開講座シリーズは、クリエイティブ・コーディングをテーマとすることで、札幌近辺で関心のある方々が情報交換できるコミュニティをつくることを目的として企画しました。プログラミングをテーマとした公開講座の企画ははじめての試みで、どの程度の申込みがあるか事前に読めずに心配していました。しかし結果的には定員を上回る申込みをいただいて、当日は22名の方にご参加いただきました。年代も性別も職業もさまざまな方がいらっしゃいました。

第1回の講師は、わたくし杉本達應(札幌市立大学デザイン学部講師)がつとめました。講座では、クリエイティブ・コーディングの歴史や紹介をした後、クリエイティブ・コーディングの開発環境のひとつであるProcessingの基本的な使い方や有用な関数などをサンプルコードとともに解説しました。最後は、各自で課題に取り組んでもらいました。課題は、こちらのページで公開しています(10秒ごとにタイトルロゴのアニメーションが切り替わります)。
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参加者のみなさんには積極的に受講いただき、ありがとうございました。

講義の満足度をたずねたアンケート回答全文をシェアします。

  • processingを使った商用ベースの作品の紹介があるとなお良かったです。
  • プレゼン資料やサンプルコードは大変有用でした。
  • 基礎から学べてありがたかったです。サンプルコードも非常に参考になります。
  • 全く分からない状態からの参加でしたので、Processingがどういうものなのか良くわかりました。しかし、初心者の状態からだとペースが早くて難しかったです。
  • コメントで説明が最初から入っているとうれしい
  • クリエイティブコーディングやProcessingについての説明はとてもためになったが、既にコードを書いたことがある人向けの内容もほしいと思った。
  • 関数が簡潔に説明されてわかりやすかった
  • もくもくと作業する時間が長くなりすぎた感がある
  • Processing初心者ですが、今回の講義で少し動かしてみることができました。今後も継続して学習を続けたいです。最後の課題は初心者にとって少し難易度が高い気がします。杉本先生の説明は、とっても分かり易いです!!
  • はじめてさわったのでおもしろかったです。
  • 内容が少しむずかしく初心者が理解するには講義の時間が足りない気がする。数回に分けたステップアップ講座にしていただきたい。
  • 課題は自由でも可のほうが良かったかもしれません
  • 内容はとてもわかりやすかったが、Javaを学んでいるため、新しい関数を覚えるだけでした。

今回は、はじめてコーディングする初心者の方を対象として講座だったため、経験者の方には物足りない内容だったとおもいます。

公開講座にご参加された方の交流の場、クリエイティブ・コーディング・スクールのFacebookグループにもぜひご参加ください。

2014/7/2(水)「まちの先生大集合!」を開催しました

2014年7月2日(水)は、FD研修会に引き続き、札幌市南区民センターで「まちの先生大集合!」と題したイベントを開催しました。このイベントは、札幌市立大学地(知)の拠点(COC)事業の活動の一環で、来年度開設予定の「SCUまちの先生」の活動を地域住民の方々と一緒に準備していくことを目的としています。お子様も含めて、34名の方が参加されました。

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第1部のレクチャーでは、講師としてお招きしたstudio-L西上ありささんから話題提供をいただきました。立川市子ども未来センター(東京都)でのさまざまなプログラムや、広島県・愛媛県エリアで開催されている観光振興イベント「瀬戸内しまのわ2014」での活動を紹介していただきました。締めの言葉は、「楽しさなくして参加なし 参加なくして未来なし」。つらくなったら継続できませんからね。楽しくつづけられる活動にしたいものです。

第2部のグループワークショップでは、6つのグループにわかれて、まちの先生で「学びたいこと」「教えたいこと」「どんな学校にしたいか」について、アイデアを出して、発表していただきました。「まちの先生」に期待できそうなレクチャーをふまえていたため、みなさんの気持ちがあたたまっていてよいスタートがきれました。

ところで西上さんのレクチャー内容は、当日組み立てられていました。西上さんは、札幌駅から会場へ向かうまでのあいだ、大学の取り組みや南区の現状について簡潔かつ入念に質問を繰り出していました。そのリサーチの手際のよさには驚かされるとともに、日ごろのお仕事の姿勢が垣間みえて大変勉強になりました。

イベント終了後は、札幌中心部のオーガニック居酒屋に場所を移して懇親会。ふだんミーティングだけで顔をあわせているチームメンバーの看護学部の先生方とも懇談するよい機会になりました。西上さんには深夜の懇親会までおつきあいいただきありがとうございました。

2014/7/2(水) FD研修会「教員および地域住民ファシリテーター養成に向けて」を開催しました

2014年7月2日(水)、札幌市立大学芸術の森キャンパスで全学FD研修会「教員および地域住民ファシリテーター養成に向けて」を開催しました。教職員29人が参加しました。

この研修会は、札幌市立大学地(知)の拠点(COC)事業の活動の一環として、教職員向けに実施したものです。COCでは、地域のみなさんと交流する拠点を開設されます。2015年度、札幌市南区にできる札幌市立大学の新しいキャンパス「SCUまちの学校」がその拠点で、新しい建物ではなく、閉校した真駒内緑小学校の一部を再利用します。この「SCUまちの学校」では、大学教員による公開講座や授業公開(SCUまちの教室)、地域の住民が講師になる講座(SCUまちの先生)、人々が集い語りあえるコミュニティカフェ(SCUまちの談話室)などが予定されています。

まちの学校では、教員が活動のコーディネートをしたり、地域住民の方がワークショップのファシリテーターをつとめることが想定されます。そこで、この研修会では、ファシリテーションの基本的な知識や技能を習得し、地域住民ファシリテーターの養成に関する議論をおこなうことを目的としました。

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講師としてお招きしたのは、西上ありささんです。西上さんは、コミュニティデザイナー山崎亮さん率いるデザイン事務所studio-Lの創設メンバーのお一人です。西上さんとは、札幌に来るまえの広島県福山市の中心市街地活性化をかんがえるワークショップでお会いしました。このワークショップではじまったまちづくり活動「フクノワ」はいまも続いています。

レクチャーでは、福島県猪苗代町の「はじまりの美術館」の事例など、COC事業に関連する話題提供をいただきました。研修会のあと、西上さんから、コミュニティデザインでは以前の公衆衛生や都市計画の考え方を参照されていることから、デザインと看護の2学部からなる本学の取り組みには期待しているというメッセージをいただきました。

研修会は、対話、質問を考えるグループディスカッションなどを交えたもので、いつものFD研修会よりもインタラクティブなものになりました。西上さん、ありがとうございました。

データビジュアライゼーションをはじめるためのフリーのツール・情報源20選

お知らせ (2015年9月30日)
日経ビッグデータ発行の『データプレゼンテーションの教科書』(2014年12月発売)の記事「データビジュアライゼーションのためのフリーツール厳選20」(P.102~105)において、本記事の翻訳文が盗用され、改変の過程で誤訳が生じていました。詳しくは下記リンクをご参照ください。
 『データプレゼンテーションの教科書』(日経BPムック)についてお詫びと訂正(日経BP社サイト)

この記事はThe top 20 data visualisation toolsの原著者許諾済みの日本語訳です。

Brian Sudaが、データをクリーンアップし、すてきなビジュアライゼーションを作成する20のツールと学習情報を紹介します。

Original Article by Brian Suda.
Translated by Tatsuo Sugimoto.

この記事では、フリーで入手しやすいチップスとツールに焦点をあてています。この分野では多くのすばらしい有料のツールが知られていて、私もそれらのツールを利用しています。しかしこの分野の入門者が、何をはじめるのかよくわからないまま、高価なソフトウェアを購入するのは現実的ではありません。ここでは、Webや印刷物向けに美しいデータビジュアライゼーションを作成するのに役立つツールと情報源をくわしく紹介していきます。

データセットを洗い出して組み合わせるデータジャーナリズムから、装飾的にデザインされたインフォグラフィック・スタイルのポスターまで、どのジャンルでもうまく成果を上げるにはツールとオーディエンスの理解が不可欠です。この記事では、新しい情報に目を向け、さらにスキルを磨くための適切な指針を示します。

もくじ

クリーンアップ

データセットを扱っている人はみな口を揃えて、データセットを使えるフォーマットにするためのクリーニング作業に多大の時間を費やしていると言うでしょう! 典型的なクリーンアップ作業は、乱雑なエクセルファイルの数値を再整形したり、略語を広げたり縮めたりして、きちんと整理された列群へと変換するといったことです。たとえば、「UK」、「U.K.」、「United Kingdom」は、どれも同じ値を異なるやり方で表記したものです。そこでデータを「クリーニング」することで、これから紹介するツールを利用したワークフローで一貫性をもって使える情報にするのです。

この大変な作業を軽減するツール群がこれまでに多く作られています。もしこの分野へ進んでいくのなら、データをクリーンアップするのに役立つツールを知っておくことが、あなたの平静を保てる唯一の方法です。PDFからデーターベースにコピーペーストするのに時間を費やすことほど最悪なことはありませんからね。これから紹介するいくつかのツールは、あなたの仕事を大変にすることなくスマートにしてくれます。

Data Wrangler

Data Wranglerは、乱雑なデータセットを貼り付けると、データをクリーンにするための数ステップを経て動作し、お気に入りのツールで動かすのにより適切なフォーマットでダウンロードできるWebベースのツールです。開発したスタンフォード大学のデータビジュアライゼーションチームは、データ抽出の新技術においてたいへん優秀なチームです。

[訳注]
現在Data Wranglerは、研究プロジェクト期間を完了し積極的なサポートが打ち切られています。開発チームメンバーは、Trifactaというベンチャー企業に移籍しています。また、スタンフォード大学のデータビジュアライゼーションチームは、ワシントン大学のインタラクティブデータラボへ移動しました。

Data Wrangler

Open Refine

Open Refineは、Google Refineのリブランドです。Data Wranglerと同じく、Open Refineもデータを使えるフォーマットにクリーニングしますが、Open RefineはオンラインではなくローカルのPCで動作するという違いがあります。データの機密を保持したい場合、Open Refineを使えば解決できます。

この2つのツールは、扱いにくいデータをクリーンアップするだけでなく、不正なデータポイントを検出して知らせてくれます。コンマやピリオド、数値から3桁分のゼロを追加したり削除したりする単位記号の欠落などです。たとえば、100,000 と 100K は同じ値ですが表記が異なります。こうした異常値には、より詳しく調査できるようにフラグがつけられます。

また、これらのツールは、NASA と N.A.S.A. のようによく知られた略語を統一しようとします。こうした機能は、結果を分析するさいに時間を大幅に節約してくれます。

Open Refine

Tabula

Tabulaは、扱いにくいPDFファイルからCSVデータを抽出してくれる新しいプロジェクトです。Tabulaは、データを抽出したいエリアを選択するだけで、抽出した結果をプレビューできCSVファイルとして返すシンプルなインタフェースをもっています。とても簡単です! リンク先に、できることを示したすばらしいデモがありますが、自分の書類を処理するには自前のサーバが必要になります。

[訳注]
Tabulaは、公式サイトからWindows/Mac/Linux版をダウンロードできます。

政府機関はますますデータを公開するよう迫られていて、しぶしぶPDFファイルで公開しています。PDFファイルはマシンにとってアクセスしやすい書類ではないため、PDFファイルからデータを抽出する多くのよくできたツールが同時に発展しています。ここには、データクリーニング技術の専門家になる巨大なチャンスがあります。この技術は、数年前には存在さえしていなかった数多くの領域のひとつであり、現在とても求められているスキルなのです。

Tabula

D3

前回の記事では、チャート作成ツールとしてD3を紹介しました。D3は、シンプルなチャートやグラフをつくるにはやや複雑なところがありますが、より簡単につくることができるD3用の追加ライブラリをいくつか紹介します。

NVD3

NVD3は、再利用のためのライブラリです。このプロジェクトは、D3のもっているパワーを利用して、一般的なチャートタイプを出力します。NVD3は、異なるデザインがはびこることを防いで制約をあたえると同時に、データビジュアライゼーションを始めたばかりの人にとって、はるかに簡単で親しみやすいコードを作成するため、私はこのアイデアをとても気に入っています。

NVD3

D3 Maps

地図製作に取り組むには、D3用の美しい地図生成ツールD3 Mapsがあります。たとえば、みなさんが「ヴィーフェル図法」の地図を作成しなければならなくなるかどうかはわかりませんが、もしそんな機会があるとすれば、このツールが最適です! D3 Mapsを使えば、非標準的な地図ライブラリ利用にメリットのあるプロジェクトで、とても簡単に地図を作成することができます。

D3 Maps

ツール

ここでは、よりオープンで柔軟な一般的なチャート作成ツールを紹介します。どれも、みなさんのワークフローやデザインで使えるツールであるとともに、生データに価値を提供しインスピレーションの源泉にもなるでしょう。

Wolfram Alpha

Wolfram Alphaは、サーチエンジンではなく知識エンジンです。Wolfram Alphaはあらゆるデータをプロットできます。「次の満月は」といった質問を訊ねると、基本的なビジュアライゼーションを返してきます。自分のFacbookアカウントについて訊ねると、Wolfram Alphaは数多くの興味深いチャートやグラフ、あなたのつながりや関心についてのデータを返します。Wolfram Alphaは汎用ツールではありませんが、大量のデータセットを扱って様々な方法で表現するすばらしい事例です。Wolfram Alphaブログに詳しい紹介があります。

Wolfram Alpha

Chart.js

Chart.jsは、デザイナーや開発者向けの美しいオープンソースのチャートライブラリです。数行のJavaScriptコードでcanvas要素内にチャートを描くことができます。ただしIEはcanvas要素をまるで扱えないので、IE8以下ではちょっとした対応を要するでしょう。Chart.jsは、基本的なチャートのタイプをほとんどカバーしていて、動作にはわずか20KBしかページ容量を増やしません。

現在のチャートやグラフの代わりになるものを探しているなら、これが答えになるかもしれません。

Chart.js

Processing.js

Processingのことを聞いたことがあるなら、それが一風変わった偉大なアニメーションとインタラクティブなパワーを持っていることをきっとご存じですよね! ProcessingがWeb用にJavaアプレットを出力することもご存じでしょう。いまでは、そのProcessingのすばらしさをJavaScriptでも使えます。

Processingは、驚くべきインタラクティブなデータビジュアライゼーションへの扉を開いてくれます。圧縮バージョンの容量は200KB以上ありますが、完全に機能するアニメーションツールと物理エンジンを提供しているのですから、まったく問題ありません!

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Paper.js

長い間、Adobeのクリエイティブ・ソフトウェアをスクリプト制御する最良のやり方は、Scriptographerでした。現在それは、Paper.jsとしてWebに移行しました。Processing.js が数年の歴史を持っているのに対して Paper.js は新入りです。それでもこのライブラリには注目する価値があります。新しいといっても、このライブラリの起源は折り紙つきなのですから。作例をながめているだけで、きっとこのライブラリを活用したプロジェクトをいくつか着想できるはずです。

Paper.js

JpGraph

Google Static Charts の停止が迫ったとき、静的グラフ生成の需要を満たすものが存在しませんでした。手の込んだインタラクティブなチャートはすばらしいのですが、ベクター形式のSVGグラフだと、そのチャートをプレゼンソフトにコピーペーストすることがほぼ不可能です。ただ幸運なことにcanvas要素は、画像として書き出せてスクリーンキャプチャもできます。しかし静的画像が適している場合は、画像で始めませんか。JpGraphは、Google Static Charts の代わりとなるすばらしいツールです。PHPで書かれたサーバに設置するプログラムで、自由なライセンスをもつ JpGraph は、データビジュアライゼーション作成のツールボックスに加えておくとよいでしょう。

JpGraph

Circos

環状のダイヤグラムがお好み? ゲノム情報を扱っている? もしそうなら Circos がぴったりです! バイオデータのビジュアライゼーションという特殊な領域をこえて成熟した Circos は、いまでは大量のデータをコンパクトで円形のビジュアライゼーションへとしっかり詰めこむツールになりました。二つ以上の要素間のつながりを見せる、このような環状のビジュアライゼーションは、さっと眺めてパターンを見るには最適な手法です。

Circos

マッピング

前回の記事では、ビジュアライゼーションツールとして地図を使用するいろいろなツールを紹介しました。それらの多くは位置情報としての地図に焦点をあてていましたが、データの表現に使える地図の手法は他にもあります。これから紹介するツールは地図を使用しているものの、地図中の位置を直接あつかっているものではありません。

Open Heat Map

ヒートマップは、あるエリアである出来事がどの程度の頻度で発生しているのかを見せる地図を見事に描いてくれます。これは、気温や価格、事件の密度などの指標にも使えます。こうしたヒートマップを見せるには、十分な数学的知識と、既存の地図に独自の格子状のマップをレンダリングして追加する能力が必要です。Open Heat Map は、スプレッドシート書類を数学的に処理し、ヒートマップの格子をレンダリングするため、こうした課題をすべて取り除いてくれます。これは、最小の努力で、あなたのデータビジュアライゼーションのスキルを披露する格好の方法です。

Open Heat Map

Color Brewer

地図を使ったデータビジュアライゼーションを作成すると、最終的に配色選びの穴にはまってしまいます。最適なカラーパレットを選ぶことが難しいのには、いくつかの理由があります。みなさんは、閲覧者がどのようにデータを受容するのかをつねに想定しておく必要があります。しかし、印刷でも、白黒のデバイスでも、液晶スクリーンでも機能し、弱視や色覚異常の人でもわかる、あるいは誰もが違いを見分けられる十分なコントラストをもつ配色を正しく選ぶのは至難のわざです! Color Brewer では、あなたのプロジェクト特有のパラメータをいくつか選択することで、あらかじめ用意された基準をみたしているカラーパレットを提示してくれます。

Color Brewer

タイムライン

イベントデータをビジュアライズする最適な手法は、タイムライン上に表示することです。タイムラインを使うと、どのイベントが、いつ、どんな長さで発生したのかを特定しやすくなります。スケジュール管理から調査報道まで、イベントの記録をタイムライン上でビジュアルに見られると役立ちます。ここでは、手軽にスクロールやズームができるタイムラインを作成するツールをいくつか紹介します。

Timeline

Timeline は、MIT SIMILE プロジェクトの成果です。しばらく前から存在していて、たいへん堅牢です。JSON と XML の入力に対応していて、あらゆるタイムフォーマットから全てのイベントを書き出します。Timeline は、恐竜の歴史からスケジュール帳まで、あらゆる尺度を作成して実行できる簡単なビジュアライゼーションです。それぞれ連動していて個別にスワイプしてスクロールできる、おもしろい3段積み上げのタイムラインを作成でき、完全にカスタマイズ可能です。

Timeline

Here is Today

タイムラインは、時間上の多種多様な尺度や違いを見せるために使うこともできます。Here is Today は、つねに今日を起点とした相対的な時間をズームアウトしつづけるインタラクティブなタイムラインの好例です。シンプルに見えますが、データビジュアライゼーションデザインの良い側面をいくつか示しています。これは、閲覧者自身のペースで次に進めていけるインタラクティブなものですが、それぞれのステップでは相対的な情報だけを見せています。今日という日を、1ヶ月間のなかで位置づけ、次は1年間で、その次は1世紀間で、というように。閲覧者に全ての情報を一度に見せて圧倒させるのではなく、見る者にひとつの解釈だけを選びとらせようとしているのです。

Here is Today

Timeflow

Timeflow は、タイムベースのダイヤグラムをすばやく簡単に作ってくれます。ジャーナリストのために設計された Timeflow は、データを異なる方法でビジュアライズし隠された潮流をつかめるようにしてくれます。このプロジェクトはこの数年間更新されていませんが、試してみたい人に現在も提供されています。

Timeflow

もっと学習する

こうしたツールの先へ進むには、データビジュアライゼーションの世界の動向をつねに注目しておくことがポイントです。わたしが発見したそのための最良の方法は、未来と過去の両方を見ることです。デザインには、過去何百年ものあいだ幾度も洗練され選り抜かれてきた歴史があります。Webやさまざまなサイズの新しい機器といった新たなメディアを扱うときも、多くのデザインの基本原則はそのまま生き残ります。とはいえ、新しい研究や発見や、インターネットで失敗に終わっていることについても通じておく必要があります。ここでは、データビジュアライゼーションとデータを使ったデザインについて引き続き学習するためのすばらしい情報源をいくつか紹介します。

Data Stories

Data Stories は、インストールして毎日使うようなツールではありません。Data Stories は、この分野のすぐれた専門家が、彼らのワークフローやツール、プロジェクトについて議論するポッドキャストです。データビジュアライゼーションに本気で取り組んでいるなら、この業界の動向についていく必要があります。そのためには専門家から直接学ぶことにかなう方法はありません。

Data Stories

Data Journalism

スタンフォード大学は、データジャーナリズムの中核のひとつになりました。vis.stanfor.edu には、彼らが開発した Data Wrangler など多くのすばらしいツールがあります。さらにスタンフォード大学では、データジャーナリズムについての授業やビデオもあります。datajournalism.stanford.eduでは、オンラインでビデオを視聴でき、多くのツールや使用事例、ワークフローがどのように実世界の状況に実装されたのかを見ることができます。

[訳注]
スタンフォード大学のデータビジュアライゼーションチームは、ワシントン大学のインタラクティブデータラボへ移動しました。

Data Journalism

Teaching to See

インゲ・ドラックレイは、たいへん評価の高いデザイナーのひとりです。40年以上にわたって、彼女は今日の偉大なデザイナーたちにグラフィックデザインを教えてきました。最近、彼女は『Teaching to See』というショートフィルムを作りました。本気でデータを使ったデザインをやるのなら、座ってじっくり学んでおきましょう。

Teaching to See

習うより慣れろ

大規模データセットに入り込んでいけばいくほど、たんなるビジュアルな表示以上のものを理解しなければならなくなるでしょう。データをクリーンアップし、小さな部分へと刈り込むのに役立つツールを理解し、閲覧者が知るべきことを理解する必要があります。まずは、ここで紹介したデータのビジュアルな表現を作成するさまざまなツールを使いはじめることができます。それは、円や地図、そのほかのチャートやグラフになるでしょう。そのためには練習が必要になるので、ツールだけでなく学習の情報源についてもしっかりと紹介することにしたのです。データビジュアライゼーションに本気で取り組むなら、業界で何が起こっているのかを常に追いつづけて、カンファレンスのビデオをみて、関連するポッドキャストやインタビューを聴いて、すぐれた実践家によるデータビジュアライゼーションに関する読み物をすべて読みつづける必要があります。Eyeo Festivalのビデオは、この分野で活躍する人を視聴して学習をはじめるのに最高の場所です。

これらの多くのツールを自分自身のプロジェクトに実装するとともに、あなたの知識を共有することが重要です。データビジュアライゼーションは成長している分野なので、そのなかのどこかの部分では専門家になれるチャンスがあります。機会をみつけては、どのように結果を成し遂げて、失敗から学んだのかを他の人に解説するようにしましょう。


Brianは、ソフトウェア開発者。著書に『A Practical Guide to Designing with Data』(Five Simple Steps)。

DEVELOPMENTAL/オープントークvol.2「おもてなしのデザイン」を開催しました

2014年2月22日(土)、札幌市立大学サテライトキャンパスにてトークイベントを開催しました。
ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。

DEVELOPMENTAL/オープントークvol.2「おもてなしのデザイン」
プレゼンター:宮田雅子(札幌大谷大学)

はじめに、杉本達應(札幌市立大学)からイベントの趣旨説明を行いました。

プレゼンターの宮田雅子さんからは、理系、芸術系、文系を横断したご自身の経歴紹介をはじめ、多岐にわたる話題を提供していただきました。「美唄式あぜ道ピクニック」(2013年)と題した美唄市での地域活動のデザインでは、たんに外部の人を呼びこむという観光的な視点だけでなく、地域の人びとや学生たちとともに活動をつくりあげていることが紹介されました。さらに、これまでの近代デザインの歴史のふり返りと、宮田さんが提唱しているコミュニケーション・デザインのコンセプトである「おもてなしのデザイン」の解説がありました。「おもてなし」という言葉の起源には、「仲立ちをして場をつくる」という意味があり、コミュニケーション、共創の思想、一回性という3つの特徴をあわせもっているということでした。

後半は、チャートイットを利用して参加者のみなさんに「○○のデザイン」を考えていただき、最後に質疑応答をおこないました。

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あなたのかんがえる「○○のデザイン」は?

マウスを置くと一時停止します。

アンケートの集計結果

アンケートのご意見より

イベントの良かった点

  • スライド?を使用しており、自分の感想等が写し出され他の人の考えもシェアできたりとおもてなしのデザインを自分なりにまとめることができたと思っております。
  • 少人数で会場の広さもちょうど良かった。
  • 美唄のピクニックが楽しそうだった。
  • 「美唄式あぜ道ピクニック」の恊働事業に人づくり、まちづくりのヒントを感じた。
  • “おもてなしのデザイン”の概要、芯にあるものが見えてよかった。
  • わからないワードもたくさん出てきたように思いますが、先生の宮田さんの言わんとしていることは伝わってきました。色んなことを考えるきっかけになりました。
  • 参加者の意見を、その場ですぐに、全体に対して、見える化したこと。
  • デザインについて、考え方をよく分かったところがとてもよかったです。自分の見ている一面だけでなく、プロの方の見ている一面からお話を聞けるのは自分のためになるなと思いました。
  • 色んな年齢・職業の方が参加している点。講演を聞きにきている人から色々な意見があがっておもしろい。
  • 観光としてはなく、地域の人とのつながりの場をつくるというのは新しいまちづくりとして興味がわきました。Chart it!を使った共有が面白かったです。「デザイン」という概念はいろいろ応用できるかと思います。
  • 宮田さんの経歴を詳しく紹介してくださったことで、「理系の知」「文系の知」「美術系の知」という複数の分野から考えるのが大切だという話に説得力がありました。私は今、札幌市立大メディアデザインコースの学生ですが、他のコースも含め様々な分野の知識を吸収したいと思いました。
  • いろんな角度からの「おもてなし」がきけてよかったと思いました。
  • たくさんの人のたくさんの意見を聞けた点。
  • 札幌駅の近くにあり、便利。参加者にバラエティーがあったようです。
  • 「目に見えないものをデザインする」という考え方は興味深く、「○○のデザイン」という言葉の曖昧さ、前向きさ、面白さ等、その無限大のイマジネーションは、人と人をつなぐことをはじめ、問題を良い方向に向かわせるような、そんなイメージをも与えてくれる側面があるのかもしれないと思いました。新聞やネットなどで「○○・デザイン」という言葉が多用される度に、少なからず違和感や分かりにくさを感じていた自分にとっては、今日は良い気付きになりました。ありがとうございました。

改善したほうがよい点、気になった点

  • 特にございません。とても丁寧でわかりやすい話し方だったと思います。
  • 時間が短い気がする。もう30分あっても良いかな。意味不明な単語がいくつかありこまる。美唄についての活動の話を長くしてほしかった。
  • 素人でもわかる言葉を使ってほしい。
  • もう少し具体的な部分まで話を聞きたかった。(時間が短い→「Chart it!」ももっと広げられると良い)
  • 自己紹介は短く。「レイヤー」からで良かった。
  • リアル・プレイスに複数の人を集めることの意味が少なかったように思います。スピーカーと参加者が1対1でつながるだけ、あるいは他の参加者の意見を単に知るだけなら、ウェブ・コンテンツであってもいいはずです。テーマに沿ってスピーカーと「私」と他の参加者が相互交流できるようにデザインされてこそ、この場にふさわしい「おもてなし」のデザインではないでしょうか。
  • こういう形式の講演会であるのであれば、机とイスを前に向けて設置してほしいと思いました。
  • テーブルの配置。グループワークのように数人でやる作業などがないのであれば、このような配置にする必要はないかな、と思いました。前を見にくい形でした。
  • スライドや他の人との顔が見づらかったです。(首をねじらなければならない席なので)
  • キーワードとなる「おもてなし」ということばが突然でてきた印象もあったので、なぜ他の単語ではなく「おもてなし」にいきついたのかなどのお話もぜひお聞きしたかったです。
  • 内容がよくわからない広告だったので、その点は改善してほしい。テーブル毎にちょっとしたディスカッションがあればよかった。
  • 一般の人がいるので、横文字・専門用語は噛みくだくか言いかえた方がいい(例:レイヤー、コンテクスト)
  • 宮田先生ご自身が最も力を注いでおられることや、それに対する想い、今後のビジョン、これまでの活動(今回はピクニックのことなど)で、苦労されたこと、良かったことなど、情熱的なご意見も聞いてみたかったなと思いました。また、質疑応答で質問者の方に対する宮田先生の回答に気遣いや優しさを感じたので、そんな宮田先生ならではの「おもてなし」のエピソードなどももしあればご紹介いただきたかったです。

その他コメント、今後のイベントについて

  • デザインは専門外だと思っていましたが、今回のお話を聞いて案外自分にとって身近なものだと感じることができました。
  • お忙しい中、このようなイベントを無料で設けてくださりありがとうございました。普段デザインを学んでいない学生もデザインに接する機会ができたことに今後自分の制作に役立てていけたらと思っております。
  • あぜ道ピクニック事業の内容をもう少し掘り下げて話してほしかった。
  • 前回も参加しましたが、杉本先生のセミナーは斬新で刺激になります。来年度以降もセミナーの開催を期待しています。ありがとうございました。
  • 私も、民族学、社会学、宗教学、文化人類学を渡り歩いてきたので、共感できます。
  • 美唄式のピクニック、おもしろそうです! ぜひやってみたいと思いました。本日はおもしろいお話し、ありがとうございました。
  • 地域デザインについては興味があったので、もっと話を聞きたかったです。告知と話の内容をそろえることは難しいと思いますが、できればもっと、美唄プロジェクトについて聞きたかったです。
  • また機会があれば宮田先生のお話をお聞きしたいです。自分の経歴、学んだことから、なぜ今の活動に至ったのかというお話に興味があるので、他の方のそのようなお話をきいてみたいです。(スライドが見づらい机の配置だったので、ワークショップ等をやるのでなければ前向きにしてほしかったです…)
  • また別のプレゼンターの時に参加したいなと思いました。おもしろかったです。
  • 一般的なことでなくテーマに沿ったストーリーを展開してほしい。
  • 自分のような一般人も参加できるDEVELOPMENTALのイベントは、多彩なプレゼンターの方のおかげで、日常では考えの及ばない新しい考え方や、しくみ、技術などに触れることができることができる良い機会となっています。専門的でアカデミックなお話の中にも、その分野に通じていない自分にとって活かせる部分や気付きがあるのが嬉しいです。今後もそんな発見の多いイベントを期待しています!

なおアンケートでご指摘いただいたテーブル・レイアウトについてお詫びします。インタラクティブなセッションを予定しテーブルを配置していましたが、参加者同士の対話の時間を設けることができず、結果的に聴きづらい椅子の向きになってしまいました。ご迷惑をおかけしました。

さいごに、プレゼンターの宮田さんにはお忙しいところご登壇いただきありがとうございました。丁寧な質疑応答に宮田さんの「おもてなし」の精神を感じることができました。宮田さんは残念ながらこの春札幌を離れられますが、これからのご活躍を祈念しています。

【編集中】Works in Software Takes Command

第5章 メディア・デザイン

Painting with Light, a documentary by BBC, 1986.
David Hockney works with the Quanntel Paintbox.

Go! By Common. Kanye West, MK12 and Convert, 2005.

Good Is Good by Sheryl Crow. Psyop, 2005.

TV ad for Thomson Reuters. MK12, 2012.

Opening titles animation for television series Mad Men. Imaginary Forces, 2007.

Itsu by Plaid. Pleix collective, 2002

Don’t Panic by Coldplay. Imaginary Forces, 2001.

Title for The Inside. Imaginary Forces, 2005.

Nike – Dynamic Feet. Imaginary Forces, 2005.

Sodium Fox. Jeremy Blake, 2005.

Untitled (Pink Dot). Takeshi Murata, 2007.

Kartal Pendik, Istanbul, Master plan by Zaha Hadid, 2006.

One North, Singapore, Master plan by Zaha Hadid, 2001.

Yokohama International Port Terminal. Forign Office Architects, 2002.

Crystal World (after J.G.Ballard). Ann Lislegaard, 2006.

Bellona (after Samuel R. Delany). Ann Lislegaard, 2005.
リンク先に動画あり。

2014/2/22(土) DEVELOPMENTAL/オープントーク「おもてなしのデザイン」を開催します

20140222DVLPMNTL

プレゼンター: 宮田雅子(デザイナー/札幌大谷大学)

司会・進行: 杉本達應(札幌市立大学)

日時: 2014年2月22日(土) 16:00-18:00

会場: 札幌市立大学サテライトキャンパス
[札幌駅南西・北4西5・アスティ45ビル12階 電話 011-218-7500]

参加費無料。事前申込不要。どなたでもご参加いただけます。
Facebookご利用の方は、ぜひイベントページで参加登録してください。

デザイン思考、ソーシャル・デザイン、コミュニティ・デザイン、サービス・デザイン……近年、「デザイン」という言葉が、商業デザインを超えて多様な領域で使われるようになりました。

今回、札幌を拠点にユニークなデザイン実践を展開されている宮田雅子さんをお迎えし、 広がる「デザイン」の意味をラディカルに問いなおします。キーワードは、「おもてなし」。

宮田さんは、たんなる地域振興や観光開発ではないデザインとして「美唄式 あぜ道ピクニック–これが美唄のおもてなし」(北海道美唄市)等をプロデュースしています。こうした活動事例を通して、「おもてなしのデザイン」とは何か、「おもてなし」と「サービス」の違いなどについて話題を提供していただき、参加者のみなさんと話しあう機会にしたいとおもいます。

宮田雅子(みやた・まさこ)
札幌大谷大学芸術学部美術学科専任講師。
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業。凸版印刷株式会社でセールスプロモーション企画に従事後、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科助教を経て、現職。
専門はメディア・デザイン。デザインとメディア論の間を往復しつつ、プロジェクトやメディア実践などを手がける。共著に、『メディアリテラシー・ワークショップ:情報社会を学ぶ・遊ぶ・表現する』(東京大学出版会)など。

主催・お問い合わせ先:
札幌市立大学デザイン学部メディアデザインコース 杉本達應研究室
sugi (at) media.scu.ac.jp
*「DEVELOPMENTAL」は杉本達應研究室の研究プロジェクトです。

『メディア技術史―デジタル社会の系譜と行方』

2013年10月、飯田豊(編著)『メディア技術史―デジタル社会の系譜と行方』(北樹出版、2013年)が発行されました。

メディア技術史―デジタル社会の系譜と行方
飯田 豊 大久保 遼 木暮 祐一 柴野 京子 杉本 達應 谷口 文和 溝尻 真也 和田 敬
北樹出版
売り上げランキング: 16,931

本書は、書物や写真、映画などさまざまなメディア技術の成り立ちを学ぶためのテキストです。
杉本は、第8章(コンピュータ)、第9章(インターネット)、カバーデザインを担当しました。
目次の下に、立ち読み風連続ツイートを掲載しています。

『メディア技術史―デジタル社会の系譜と行方』
目次

第1章 技術としての書物―紙の本vs電子本への古くて新しい回答(柴野京子)
1.デジタルとアナログのかなしい対立
2.書物の技術を考える
3.活版印刷の発明と革命
4.グーテンベルクの銀河系—活字人間とデジタル人間のあいだで

第2章  写真はどこにあるのか―イメージを複製するテクノロジー(大久保遼)
1.カメラ・オブスキュラと〈写真〉の夢
2.ダゲレオタイプと鏡としての写真
3.カロタイプと複製技術としての写真
4.マジック・ランタンと語りのなかの写真
5.写真製版とマスメディアとしての写真
6.写真の現在へ—デジタル化と写真コミュニケーション

第3章  映画の歴史を巻き戻す―現代のスクリーンから映画の幼年時代へ(大久保遼)
1.遍在するスクリーン
2.マジック・ランタンとスクリーン・プラクティス
3.映像が動き始める
4.パフォーマンスのなかのシネマトグラフ
5.初期映画から現代のスクリーンへ

第4章  音楽にとっての音響技術―歌声の主はどこにいるのか(谷口文和)
1.ボーカロイドから考える音の技術とメディア
2.録音技術から録音メディアへ
3.レコード音楽のリアリティ
4.ボーカロイドの居場所

第5章  声を伝える/技術を楽しむ―電話・ラジオのメディア史(溝尻真也)
1.メディア技術の楽しみ方をめぐる歴史
2.メディアとしての電話の生成と変容
3.ラジオアマチュアたちの戦前/戦後史
4.新しいメディアの楽しみ方に向けて

第6章 テレビジョンの初期衝動 ―「遠く(tele)を視ること(vision)」の技術史(飯田豊)
1.「テレビジョン」の源流を訪ねて
2.二つの技術方式
3.「テレビジョン」の未来像
4.「テレビジョン」から「テレビ」へ
5.テレビの21世紀

第7章  ローカルメディアの技術変容―ミニFMという実践を補助線に(和田敬)
1.ローカルメディアとは何か
2.マスメディア型のローカルメディア
3.パーソナルネットワーキング型のローカルメディア
4.ハイブリッド型の「ミニFM」—関西のネットワークを事例に
5.他者関係を組み替えてゆくローカルメディアの可能性

第8章  文化としてのコンピュータ―その「柔軟性」はどこからきたのか(杉本達應)
1.コンピュータの多様な用途
2.コンピュータの歴史をとらえる支店
3.「超人」マシンの夢から、パーソナルコンピュータへ
4.コンピュータユーザの身体性—インタフェースの変遷
5.コンピュータの「柔軟性」はどうなるのか

第9章  開かれたネットワーク―インターネットをつくったのは誰か(杉本達應)
1.コンピュータネットワークの変遷
2.インターネットの自由な文化〈フリーカルチャー〉
3.ユーザとインターネットの関係を再考する
4.インターネットの豊かさの行方

第10章  手のひらの情報革命―携帯からケータイへ(木暮祐一、飯田豊)
1.場所を問わず、より多くの通信をさばけるように
2.携帯電話からケータイへ—端末のマルチメディア化
3.ケータイを学ぶ/ケータイから学ぶ

第11章  誰のための技術史?―アマチュアリズムの行方(飯田豊)
1.メディアの黎明期=「アマチュア」の時代
2.「アマチュア」の困難—専門家と非専門家の「乖離」
3.技術思想としての「アマチュアリズム」
4.再び「アマチュア」の時代?—インターネット上の創作活動をめぐって